アメリカ編~第61日目

12月27日(水)

前日のリベンジでアメリカ版「軍港めぐり」に1時間ほど早く行く。今回はちゃんとチケットが買えた。Nauticasからほど近い岸壁から出発する。

こんな船。奇しくも横須賀や呉の軍港めぐりとよく似ている。

出港するといったん湾内を南に向かう。向かって左のサンアントニオ級が入渠しているのがジェネラル・ダイナミクスの造船所、向かって右の強襲揚陸艦が入渠しているのがBAEの造船所だ。BAEはもともとイギリスの企業だが、アメリカでもけっこう存在感がある。

解説の人はばっちり艦名も説明してくれたのだが忘れちゃった。

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先進閉囲マスト/センサー(AEM/S)が印象的なサンアントニオ級、けっこう2000年代のフィクションで見かけた気がする。もっとも、現在建造中のバッチ2ではAEM/Sは通常のマストになっている。

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サンアントニオ級と同じ揚陸艦でもサイズが全然違うのが、遠征打撃群の中核となる強襲揚陸艦だ。空母のような全通甲板により高い航空機運用能力を有し、ヘリコプターやオスプレイだけでなくF-35B VSTOL戦闘機の運用も可能。

Nauticasの隣にあるクルーズ客船用設備。

あのへんのコンドミニアム、高いんだろうか。

チェサピーク湾に向けて北上していく。Nauticasの少し北側には、アメリカ海洋大気庁(NOAA)海洋局がある。中央の船舶はNOAAの観測船だそう。

MSC(軍事海上輸送司令部)の古いタイプの輸送艦(予備艦?)だと思われるが、ちょっとわからん。いろいろ調べたところこいつかな。

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こう思うと全然説明聞き取れてないな…

民間岸壁にはMSC所属艦が泊まっている。これはルイス・アンド・クラーク級。

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向かって左側にも港湾が続く。RORO船と重量物運搬船

京浜港で見かけるような大型のコンテナクレーンも多く設置されており、ノーフォークが商港としても活用されていることが分かる(そんなに出入りはしてないが)。

さらに北上するとクラニー・アイランドという米海軍の燃料施設がある。後ろのアメリカ人2人組が「日本は真珠湾攻撃で第3次攻撃を行わなかった」みたいな話をしている。これってモリソンの太平洋戦史で書かれてるんだっけ(日本軍が真珠湾の燃料タンクを燃やしていれば米海軍は動けなくなっていたみたいな)。

このGoogle Mapを信じて施設に入ろうとしてセキュリティに拘束されてほしい。

大西洋でもCOSCO(中国海洋運輸集団公司)がいる。当たり前か。アメリカ版百田尚樹みたいなのが発狂しそう。

すれ違った、タグボートに押されている給油バージ。先ほどの給油基地に向かうのだろうか。

うっすら北に見えるニューポート・ニューズの街。アメリカで唯一原子力空母を建造できる造船所がある。

右手にいよいよ海軍基地が見えてきた。

右手の、民間タンカーのような塗装の船は「モンフォード・ポイント級」と説明していたと記憶するが、ルイス・B・プラー級ではないだろうか。遠征洋上基地などと呼ばれるクラスだが、あからさまに塗装が怪しい。中央は古めの輸送艦だと思うがあんまり説明はなかった。左はヘンリー・J・カイザー級給油艦

カイザー級の向かいにつけているサプライ級高速戦闘支援艦?に次いで、第2埠頭にはアーレイバーク級駆逐艦とホイットビー・アイランド級揚陸艦

ピア3にはロスアンジェルス攻撃原潜

ピア4には水上戦闘艦がふたたび。アーレイバーク級の各艦に加えてタイコンデロガ級巡洋艦

バーク級何隻あんねん。

強襲揚陸艦。確かワスプ。

もう説明がめんどくさい。これ全部違う岸壁を撮っている。横須賀と佐世保を合わせて3倍にしたような基地である。

さあ、見えてきた。

世界に12隻しかない原子力空母(フランス含む)のうち3隻が目の前に泊まっている。仮に建造費を算出するとしても時代によって全然違うので難しいが、3隻合わせて1兆円はくだらないだろう(最新鋭のフォード級は1隻1.4兆円)。

甲板でまだ作業をしている艦もあればきれいに片づけられている艦もあり、それぞれ整備状況がまったく違うのが分かる。

おしまい。全航程2時間もあって長い。横須賀や呉と違って岸壁の間がかなり長いのでやや単調ではあるが、世界最大の海軍基地の名は伊達ではない。

なお、防寒対策はしたつもりだったが、しっかり風邪を引いた。