1月15日(月)
MLK(マーチン・ルーサー・キング)デーでおやすみ。キング牧師の誕生日にちなむ連邦休日だが、たとえばアラバマでは南部連合の将軍ロバート・E・リーにちなんでリー/キング・デーだったりするそうだ。黒人の権利のために戦ったキング牧師が奴隷制維持のために戦ったリーと並べられるのはいろんな政治的思惑が感じられてすごい。
せっかくなので、近く(ニューポートニューズ)の海洋博物館にチェコ人と行ってみた。Mariners Museumとして世界初の装甲艦同士の戦い、ハンプトン・ローズ海戦が中心になっている。
灯台のライト。明るい室内ではおぼろげだが、夜にはこれが遠くまで海の上を照らすのだろう。
帆船のフィギュアヘッド。
USSモニターの主砲の一つ。
合衆国(北軍)フリゲートのメリマック。バージニアの造船所で本艦を鹵獲した南部連合が装甲艦に改造して再就役させたのがCSSバージニアである。
改装工事を再現した実物大展示。艦内のスケール感も含め分かりやすくてよい。
実際のところ、木材に鉄板を貼ったようなものだったんだなあ。
艦長寝室。艦長でもいかにも艦内という感じ。
確かバージニアの舵輪。
引き揚げられたモニターの砲塔の再現模型。まさにトーチカだ。バージニアが舷側に法を備えていたのに対し、モニターは旋回式の砲塔を備えた。
俯仰機構を備えている。
外にはモニターの実物大レプリカがある。形も大きさも、Uボート(世界大戦時のドイツ潜水艦)くらいのイメージだろうか。
こちらは館内にある砲塔の再現。重い砲塔を旋回させる機構がよく分かる。
スクリュー。
モニターの推進システムの解説。
実際の引き揚げられた砲塔は水没状態で保管・調査されている。
海洋博物館ということで、モニターだけが展示ではない。続いて世界各国の小舟艇を集めた展示だが、これが思いのほか面白かった(受付のおばちゃんも一押し)。
中国・上海で使われていた小舟。これもサンパンとのこと。
アメリカ製の豪華な交通艇「Simokon」。
どの船も個性があって面白いし、美しい。
イタリア・ヴェニスのゴンドラ。こんな色してるの?
深海探査船「タートル」の耐圧船体部分!
ヒューゴ・ヴィーレンという船乗りが1963年にこの長さわずか6フィート(2m)の「エイプリル・フール」で85日かけて大西洋を横断したという。狂気。
手すりが重なってしまっているが、イタリアが第2次世界大戦で使用した「人間魚雷」もある。人間魚雷と言ってもイタリアの場合は左に見えるドーム部分で操縦し、潜水工作などに使用した。日本には本物の人間魚雷である特攻兵器「回天」があってぇ…という話をチェコ人にしたら「知ってる」とのこと。
モーターボート。美しい。
現代のスピードレースで使用されるヨット。
知識はないが、単純に見て楽しかった。
模型コーナーもある。ここはほとんどすべて民間船だ。
のぞけるようになっている工房。Amazonの段ボールで何が届いたのかしら。
戦前の日本商船。もちろんどちらも戦時中に米潜水艦に撃沈されている。
初期の外輪船だと思うが、船に乗せるとは思えないサイズと機構だ。
アメリカの博物館ではおなじみ、体験学習コーナーもある。
この部屋は大航海時代がテーマ。
米海軍コーナーもちゃんとある。
空母レキシントン。煙突がすごい。なんというかシンプルな艤装である。
潜水艦の発令所の再現?かなり古い器材だとは思う。
こちらにもカタマラン式ヨットの展示があった。全体として見るとでかい!これがほとんど船体が浮き上がって走るのだから、飛行艇やWIGみたいなもんである。BMWやタグホイヤーと並んでヤマハの広告も入っていた。
ハンプトン・ローズ海戦だけでなく、海運や船に関する様々な展示が楽しめた。あいにくの天気だったが野外散策用のコースもあり、1日楽しめそうである。