アメリカ編~第29日目(後)

格納庫甲板の左舷中部からさらに下へ降りる。

突然出てくるミサイル重巡改装後のUSSボストン。真鍮製だろうか。

めちゃくちゃ分かりやすく何が通っているか書いてある配管。一方で識別色帯(配管に何が通っているか識別するためのラインが入っている)は見なかったように思う。

艦船等の塗粧及び着標に関する達

http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/e_fd/1969/ey19691017_00055_000.pdf

(P10)

米海軍も識別色帯を使っているはずなのだが、1991年まで現役だった空母で見かけなかったのはなぜだろうか。たまたま見かけなかっただけ?

Naval ship pipe colour code reminds me of something... petition to have a boat in the game!!! : SatisfactoryGame

特攻を受けた際の死傷者。

やっぱり先週見た国立太平洋戦争博物館はしっかりしてたんだな(全体的に新しかったし)と思わされるのは日本関連の展示の雑さ。まずこの「山本五十六」。何も説明がないのでアメリカ人はほとんど何が書いてあるのかわからない。そもそも誰が書いたのだろうか。特別うまくもないが下手でもない。実はアメリカ人も見よう見真似でこれくらい書けるんじゃないか?と思ったそこのあなた。

これが本物のアメリカ人が書いた?偽ショドーです。「万歳」を「万才」で済まそうとしたあげくにコレ。そして何より旭日旗の真ん中に書かれた、明らかに米陸軍P-38ライトニング戦闘機のシルエット。本物の国辱である。写真に写ってる人たちに申し訳ない。

何気にいちばんポイントが高いのはこれ。右上のNippon Timesは現在の英字紙Japan Timesの1956年までの名称らしく、日付は1944年11月5日なのだが(もう負けかけとるやんけ)、右から書かれた「大日本帝國海軍」の左側に左書きの「ビジネスは…」という見出しが見えているわ、中央に「3年で会員10万人獲得が目標」(よく分からんがダメそう)とあるわ、右半分はひっくり返っているわ、下の方には「マイクロソフトの会長がトップ」「マルチメディア」「NEC」「21世紀のオフィス」などどう見ても90年代の新聞である。ちょっと「高い城の男」のような、日本が戦争に勝つSFの趣がある。まじめにやれ。

また桜花か…

このノリで出されるとやはり「見せもんじゃねぇんだよ」という気持ちを新たにするな。

応急器材を見ると無性に嬉しくなってしまう。AFFF(水性膜泡)のタンク。水と混ぜると細かい泡の膜が広がり、窒息効果と冷却効果で消火する。特に油火災に効果がある。

誰もがドン引きする、艦艇特有の3段ベッド。なんでマネキンそれなん?

工作室付近の通路だが、天井に重量物の運搬用であろうガイドレールがある。

工作室及びその配置図。かなり広く器材も充実している。

科員食堂のは以前コーナー。

テキサス人の愛郷心が炸裂、テキサス(共和国)海軍コーナー。A Lone Star Navyだそうだ。テキサスの州旗は町中あちこちで見かける、星一つと白青の線で、まさに星条旗の一部だけを取り出したようなデザイン。

たとえば勤続12年以上の中佐(O-5)で月7356ドル、日本円だと100万円以上だ。同じ勤続年数12年で比べると、O-4~O-6では意外と差がなかったりする。これは同期間であまり給料に差を付けないためとかなんだろうか(他の同様の比較ではやはり差が大きい)。

燃料タンク及びその移送系の配管図。

減速装置。写真に向かって右手にタービンがあり、この減速装置(歯車)によって適切な回転数まで下げて左の隔壁をつらぬく主軸、そしてスクリューを回す。ロックドトレイン式だ。見えているのは上半分だがでかい。

隔壁と減速装置の間を撮ってみたんだけど。なんも伝わらんな。

ダメージコントロール(応急)とは。Phase1「予防」とPhase2「対処」みたいなことが書いてる。Phase1は各部署が被害を受けた時の準備をしておくことで、Phase2はDCC(応急指揮所)から指揮される応急班の仕事です、ということらしい。応急班は8個あるようだ。

機械室内の機側操縦盤。いやー、やっぱ蒸気艦はすげぇなぁ…

消火ホース。ちゃんと束ねんかい。

医務室は広い。ベッドが二段ある。体調が悪くても一段減るだけなのか…。

隔離室。陰圧との説明はないが仕切られているだけなのだろうか。戦時中はおたふく風邪5名を収容したとのこと。

ダメージコントロールの説明再び。

防火衣・航空機火災用の特殊防火衣。

管内の扉やハッチ、管系をいつ開け閉めするのか(艦内閉鎖)を示す標識。艦内防御上重要だ。

浸水時の補強の一例。下に見えるハッチに続く区画が満水になった場合、木材できつく締め付けてそれ以上浸水が広がらないようにする。くさびをハンマーで叩いてぐいぐい締め付ける。

教会。日本の軍艦や自衛艦には艦内神社があるのと同じではあるが、米軍では最近は内装を変えてイスラム教や仏教に対応できるようにするそう。その点、日本でも今後宗教が多様化してきたときにどう整理していくか。

テキサスだから?軽巡ヒューストンのコーナー。

2時間半もあったのだが、じっくり見すぎて最後の方は駆け足になってしまった。やや老朽化は否めないがとにかく広い船体を最大限活用してさまざまな展示がある。お土産はポストカードを買っただけ。50セントくらいで、そりゃ原価は安いんだろうけど良心的すぎる。これだけ楽しんだんだから何かしらもっと買えばよかった。

帰り道。橋を建設中である。でかいなあ。道路のあちこちで更新・新設工事が行われており、日本よりもよほど活気があるように見える。質とか工程管理とかは知らん。

アメリカ経済に貢献しろ」とか言われてショッピングモールに寄る。ブラックフライデーの翌日だがまだまだ人出は多い。ウクライナ人がサングラスを選ぶのに付き合った。「目は商売道具なんだから大事にしろよ」くらいしか言えなかったが。あんまりブランドには詳しくないようで、「オークリーとかレイバンとかが定番だよ」と教えてあげた。もうちょっとでオークリーで買いそうだったが、「奥さんに相談する」とのことだが本国は真夜中なので返信はなし。

フードコートに「Sark Japan」(さるく?)という日本料理風の店があり、2人でそこで買ってみた。味付けは確かに照り焼きだが求めていたヘルシーな日本食とは違う。まあいいや。ウクライナ人から翌日が誕生日なのでぜひパーティーに来てくれと誘われ行くことに。