アメリカ編~第30日目

11月26日(日)。

朝5時半に起きて朝食を作る。早起きすると日本時間の日曜夜だから、いわゆる「土日の葬式」と仲間内で呼んでいる、Discord飲み会に参加しようと思ったのだ。思ったのだというか、参加したいからやってくれと事前に頼んでおいた。

いつもどおりベーコンを敷いて目玉焼きを焼いたのだが、いつもより念入りに火を通していたら突然部屋の中にけたたましいブザー音が鳴り響いた。火災報知器だ。IHコンロの上には換気扇がなく、確かにベーコンの香りが香ばしいを通り越しつつあった。朝6時のホテルである。どう考えても周囲の部屋に響き渡ってしまっている。どうやらホテル全体が連動するようなものではないようなのが救いだが、おそらく周囲で起きてしまった人もいるだろう。フロントに電話するが誰も出ない。椅子に登って報知器のあちこちを触ってみるが、スイッチらしきものもない。もうパニックである。スマホで「アメリカ 火災報知器 止め方」と調べると、「換気しろ」みたいなことが書いてある。でも窓を開けて騒音被害を拡大したくもないので、とりあえず部屋の換気を常時作動にしてみた。しばらくするとようやく鳴りやんだ。おそらく15分以上鳴っていただろう。直後にフロントから電話があり、大丈夫ですかとのことで、すみませんと謝っておいた。今思うとフロントで止めたのか換気のおかげで止まったのかよく分からなかったな。

3時間ほど楽しく話した。先々週の反省もあり、酒は飲まずにルートビア片手で近況を報告。

翌週の準備やこのブログを書いたりしているうちに夕方になり、ウクライナ人の誕生日パーティーのため職場に向かう。「ギフトはいらない、ビールを持ってきてくれ」とのことだったので、Uberを使って職場の裏にあるHEBに向かい、ハイネケンを買う。そこから歩いて向かったのだが、職場がだだっぴろいせいで30分以上かかってしまった。

ウクライナ人をはじめ、職場の同僚の多くは寮に住んでいる。量の中庭にはあずまやがあり、BBQができるようになっている。自分は最初Pabilionと言われてイベント会場のようなものかと思っていたが、あずまやのことなんですね。

それからよく飲んだ。よく飲んで食べた。最初はビール、それからラムコークをホットで。おいしい。最初はレバノン人やスロバキア人と立ち話していたのだが、以前一緒のチームだったポーランド人と座ってラムコークを片手に固めの話(なんか歴史の話とかをした気がするがおぼえていない)をしていたあたりから記憶がどんどんあいまいになっていく。

そもそもPabilionの意味が分かっていなかったため、シャツにジャケットという格好で出てきてしまい、一人だけテキサスの11月を舐めている人になってしまった。すぐにレバノン人がダウンを貸してくれたのだが、だんだんと人がはけてきて、彼が帰る時に「もう酒飲んで温まったから返すよ!」と言って返したあたりから判断力を失っている。気が付けば主役のウクライナ人に部屋に連れて行かれ、「大丈夫か?風邪ひくぞ、明日の朝まで俺の部屋で泊まっていけ」と言われてしまう。かなり迷惑な客だ。それでも何故か強気になってしまい、「大丈夫だ、Uberで帰るから」と言って(たぶん自分が心配をかけている自覚が薄い)、そこからまたあんまり記憶がない。タクシーに乗って「にほんからきたんらよお」みたいになってた一瞬の光景の次は、朝3時にホテルの床で転がっていた自分を発見した。父上母上、日本の恥をさらしてしまい申し訳ありません。