アメリカ編~第35日目

12月1日(金)

いよいよ12月に入った。といっても、ここではどちらかというと暖かさが戻ってきている。

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仕事の後、この時うかがった日系人の方のお宅で食事会だった。

何よりも興味深かったのは、この日系人の方の御父上の話だった。

御父上は2歳の時に両親に連れられて渡米。テキサスに移住し、アメリカの大学を卒業後、1940年に日本に戻り東京にあった日系人のための日本語学校(大使館や外務省で働くためにフォーマルな日本語を教える学校とのこと)に通った矢先、太平洋戦争の勃発により帰国できないまま徴兵された。彼は父母の残る米国と戦争する陸軍に入ったわけだ。もっとも配属先は満州で、語学の才能を買われたのかロシア語を勉強したらしい。1945年にソ連満州侵攻により捕虜となり、5年間のシベリア抑留の後に帰国した。戦後は米空軍に入隊したのち、ラックランド空軍基地で国防語学学校の教官として英語を教えたという。その後、空自が操縦訓練のために隊員を派遣するようになると、隊員たちの面倒を見てやったそうだが、戦争に翻弄されてなお米国と日本に貢献したその心中いかばかりか。家には航空幕僚長になった源田実の感謝状が掲げられている。源田に開戦の責任があるわけではないが、彼は太平洋戦争の幕開けになった真珠湾攻撃の中心人物の一人なわけで…。下のリンクは、2009年に亡くなられた際の地元紙の記事である。

https://www.mysanantonio.com/news/military/article/Sako-endured-Siberian-camp-worked-at-Lackland-843213.php

なお、ホストのご長男(記事のサコ氏の孫)は警察官をしておられる。アメリカの警察官は家にも拳銃を持って帰ってくるわけで、何気にアメリカに来て一番身近に銃を見た気がする。そのさらに長女は今年1月生まれで、くりくりした目がかわいかった。こちらで子供を見かけるたび、自分の子供に会いたくなる。