育休日記6日目・育休の取りやすさについて

私が滋賀に長男と共に帰省したのは、祖父(私の父)と祖母(父の再婚相手)の手を借りたかったから、というのが偽らざる本音である。祖父母はともに仕事を退職し、祖父は民生委員など地域の役員を悠々自適にやっている。

私の実家のあたりは、滋賀の中でも山奥に入ったところで、平成の大合併で市制移行したものの、感覚的には「郡部」である。田畑があちこちにあり、電車は1時間に1本しか来ない。もちろん、滋賀にももっと田舎の地域はあるのだが。しかし田舎ゆえに広い一軒家で、複数の大人に面倒を見てもらえるというのは悪い環境ではあるまい。

子供の起床は相変わらず遅い。9時を過ぎて起きて、1時間くらいかけて朝食を取る。朝から再び雪が降っていた。前日のうちに戻ってきてよかった、と思う。怒られそうだが父から借りた軽自動車はノーマルタイヤのままである。

昼食後、リビングに寝転がったりして昼寝を促してみたが、どうにもダメだった。午前中のアクティブな活動が足りないのだろうか。あきらめて外に出て、家の周りの雪で少し遊ぶ。雪遊びというよりは、単に外を走り回っているだけだが、寒さを感じていないかのように元気だ。

夕飯は私が八宝菜を作ることにし、祖父母と長男と共に買い出しに出かけた。叔母の喫茶店で売れ残りのちらし寿司を買い(祖母は不満そうである)、スーパーで買い物をして帰る。本格的に料理するのは、恥ずかしながら年単位でブランクがある。手順に少し間違いがあったものの、最後はがっつり片栗粉でとろみを付ければそれっぽくなる。味付けも薄めにできた。特に長男には大事なことだ。

入浴後、祖母がYouTubeで「日本昔ばなし」を見せていると、長男は寝入った。21時過ぎの就寝は記録的な早さだ。そのまま寝室に抱いて行って寝かせた。

自分の実家で1日を過ごしてみて、やはり恵まれた環境だとは思う。世間の人がみんな両親の支援を受けられるわけではあるまい。また、子供が2歳になって少し手がかからなくなったおかげもある。いずれにせよ、ブログを書いたり職場のメールチェックをしたり、なんだったら本を読んだりする時間があるのは確かだ。

自民党が「産休や育休中にリスキリングをすればいいではないか」と提言していることが話題だ。話題というか、いわゆる炎上気味である。私の場合は、本来育休を取る名目になっている第二子がまだ病院におり、2歳児を祖父母と共に見ているからできる余裕なので、この点は参考にならない。

しかし、もともとの「なぜ育休を取りにくいか」については、私にも思うところがある。自分が1ヶ月の育休を取るにあたって何が障壁になったかといえば、1ヶ月職場に欠員を生じさせることにより、ギリギリで回っている課・班に迷惑をかけることであり、人事評価において密かに劣後させられるであろうことだった。つまり、自分としては上司や同僚に後ろ指を指され、昇任の不利になることを覚悟して育休を取った。特に前者は勇気のいることだ。

「1人欠けただけで無理の生じる職場が悪い」というのは簡単だ。でもそう叫んだって自分を見る周囲の目が良くなるだろうか。そんな話がウケるのはTwitterの中だけである。そういう意味では、育休中は育児に集中しろ・させろだけではなく、1日に1時間でもメールチェックをしたり、ミーティングに参加できるようなあり方ではないのか。特に男性などはその方が現実的ではないか。どうせ、普段は4時間睡眠で働いてるんでしょ。